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2005年11月13日 (日)

円卓の騎士(4)

前回の最後に、「アーサー王と円卓の騎士たちはランスロットの行方をついには突き止め、迎えにやってきたので、ランスロットは宮廷へ帰っていった」と付け加えてください(笑)。

 さて、次のエレインはテニスンの詩にも詠われたシャーロットの乙女、アストラットの美姫として知られるエレイン・ル・ブランである。
 事の発端はアーサー王主催の馬上試合で、ランスロットがどういう気まぐれからか、あるいは王妃への面当てなのか、正体を隠してこの試合に参加しようと思いついたことである。馬上試合が行われるカメロット(マロリーによると、カメロットは現在のウィンチェスターにあったという)へ赴く途中、アストラット(現在のギルフォード)のベルナルド卿という年老いた豪族の家に辿りつき、そこを宿とすることにした。ベルナルド卿の娘がエレイン・ル・ブランである。彼女はランスロットに一目ぼれし、甲斐甲斐しく世話を焼いた。
 ランスロットは自分の正体を隠すために彼女の兄の一人ティリー卿の盾を借り、エレインの袖を形見として兜につけて試合に出ることにした。これは敬愛する婦人がいるという証で、今までランスロットは誰の形見もつけたことがなかったので正体を隠すにはうってつけだったのである。
 こうして仕度を整えたランスロットは、もう一人の兄ラヴェイン卿を供に連れて馬上試合へと出かけたのだが、結果は散々だった。ものすごく強い見知らぬ騎士にアツクなった円卓の騎士たちは、よってたかってランスロットを攻撃し、ボールスの槍がランスロットに深手を負わせた。でもここで簡単に負けてしまわないのがヒーローである。ランスロットは逆襲に転じ、ボールス、ライオネル、エクトル・ド・マリス(ってみんな身内じゃん)の三人を馬から落とし、兜をはいで首を切ろうとしたが、やはりそうも出来なくてそこを立ち去り、養生の為隠者の家へ身を隠した。
 見知らぬ騎士の正体がランスロットであったことを知ったボールスたちは嘆き、王妃は怒った(笑)。私以外の婦人の袖を形見につけて戦うとは!というわけである。ランスロットにしても、王妃のご機嫌が心配で仕方がない。エレインがどんなに優しく傅いても彼の心は変わらず、傷が癒えると宮廷へ戻ってしまった。
 エレインは恋煩いの為どんどんやつれていった。最期を悟った彼女は、父親に自分が死んだら船に乗せて流してくれるように頼む、カメロットの宮廷近くまで流れていけるように。うへぇ、これは健気を通り越して怖いよ。それでもランスロットへの恋の為に焦がれ死に、思いのたけをつづった手紙を手に括りつけて小船に横たわり、流されていくエレインの姿は乙女達の心をいたく打つらしい。赤毛のアンも真似をして溺れかけ、ギルバートに助けられたんだったね。
 宮廷の貴婦人たち、騎士たちはエレインのなきがらを見に来て涙を流し、彼女の為にミサ献金をした。エレインのことで散々ランスロットを詰った王妃は、ランスロットに謝罪して、これからは必ずこれをつけて試合に臨むようにと、金色の袖を贈ったとさ。

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