「遠山の金さん」ベスト
昔の時代劇の話しかできないので、例によって懐古ネタでございます。30禁ぐらいでしょうか?(笑)禁止ではないけど、たぶん意味がわからない。でもこのごろはケーブルTVなどで古い番組を見ることができるので、若い人でご存知の方もいらっしゃるかも。
「遠山の金さん」をTVシリーズで演じた役者さんは、中村梅之助→市川段四郎→橋幸夫→杉良太郎→高橋英樹→松方弘樹となっているようなのだが、わたしがこの中で知っているのは中村梅之助と杉良太郎と松方弘樹である。中村梅之助はリアルタイムでなかったこともあってちょっと印象が薄い。松方弘樹の金さんは口が悪すぎ。杉良太郎の金さんは町人のときと武家姿のときのギャップが程よくて、殺陣もかっこいい。彼の時代劇での役としては金さんはイマイチなのだけど――杉良太郎といえば、なんといっても「大江戸捜査網」です。十文字小弥太はそれはもう素敵でした。
そして例によって反則かもしれないけど、じつはわたしのお気に入りの「遠山の金さん」は「江戸を斬る」の西郷輝彦である(!)。
もともと遠山左衛門尉景元は明智遠山氏の一族の家系の生まれで、長崎奉行も務めた遠山影晋の実子なのだが、ここの家系では2、3代前からなかなか子供に恵まれず養子を貰うことが続いており、影晋も養子だった。それだけならよかったのだが、先代の影好には影晋を養子にした後、実子が生まれるのである。これが影善。もう幕府には届出が済んでいるので、いまさら跡継ぎを変更する事はできない。そこで影晋は、影善を実子、影元(金さん)の兄という形で養子にした。こういう事情で叔父に遠慮する影元が家出して町人のように暮していた、となるわけである。彫り物があったかどうかは定かでないが(一説によると女の生首の図柄だった)、出仕するようになった影元は夏の暑い日でも決して肌を晒すことはなかったといわれていている。後継者に関するごたごたは、彼が家を出たせいかどうかは知らぬが、とりあえずは叔父の影善が出仕して一件落着。その後、影善は自分の子供が夭折すると、影元を養子にした。その後もう一人子供に恵まれたらしいが、その子は他家へ養子に出してしまった。というわけで、影善の死後、遠山左衛門尉景元は6代目当主となり、幕府に出仕して北町奉行に任命されるのである。
それも踏まえて、「江戸を斬る」というドラマは遠山金四郎の武家の部分を出している点がユニークなのである。さらには水戸の烈公、松平斉昭の娘がすごい剣の腕前を持つじゃじゃ馬で、普段は魚屋の娘として暮しており、これと恋におちるというびっくりの設定である。西郷輝彦の金さんは、だから他の金さんと比べるとちょっとノーブル。何がいいって、お白洲でもろ肌脱いだりしない。どうしても白状しない悪人に対した時だけ、袖を少しまくってちらっと彫り物を見せ、「恥かかすんじゃねぇ」と呟くのである。いいでしょ? あれを見た時に「遠山の金さん」ベストは西郷輝彦、とわたしの中にインプットされたのである。
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